突然、頭の中に一本の蝋燭の風景が浮かんだ。
たった一本の蝋燭が静かに灯されている様子。
そのまわりでは、
だれも止めることのできないような
穏やかな時間が流れていて
音のない、風さえ吹かない、そんな世界。
きっと今のわたしは、
蝋燭に火を灯すということはできないだろう。
いろんな雑念が頭をよぎり、
そんな時間の中に行くことができない。
だからこんな絵を描いたのかもしれない。
でも、そんな現実が嫌なわけではない。
だって
背景の色には、
普段ならあまり選ばないような可愛いピンク。
それはきっと
今しかない愛おしい時間を過ごしているから。